フォークの神様・岡林信康 音楽に引きずられて55年 記念コンサートツアー

2023年10月31日 07時17分
 1968年に「山谷ブルース」でデビューした岡林信康が今秋、55周年を記念したコンサートツアーを行っている。新型コロナ下で新しい歌が生まれ、一昨年には23年ぶりとなる書き下ろしのアルバムも出した。「55年やってきて、歌っていうんは分からんいうのが結論やな。歌にこき使われ、振り回されてやってきた」
 「二十何年ぶりでも、(歌が)俺に取りついてくれてうれしかった」と振り返るアルバム「復活の朝」は、かつて学生運動のシンボルのように歌われた曲「友よ」の続編と言える「友よ、この旅を」を最後に収める。以後、新しい歌ができる「兆しはない」といい、思案しながら「これで最後でもいい」と話す。
 「フォークの神様」と騒がれてデビュー数年で都会から身を引き、農業をしながら歌い続けてきた。体力の衰えと向き合い今も歌えるのは、10年以上前、高齢で来日公演を果たしたジャズサックスの巨人、ソニー・ロリンズの姿を見て奮起した経験が大きいという。
 「自分の意志で頑張ろうとかじゃなく、やっぱり音楽に引きずられてるんや。最後に『もういいよ』って言われて終わるんだと思う。だから俺も『岡林、もういいよ』っていつ言われるか、ひやひやしてる。もうちょっとやらしてくれ、と」。東京は12月7日、「ティアラこうとう」で。アオイスタジオ=(電)03・3585・6178。 (南拡大朗)
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 岡林が1971年に東京・日比谷野外音楽堂で行ったコンサートについて、11月12日付TOKYO発面の連載企画「100年の残響(5)」で掲載します。

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