1991年6月の大火砕流発生から30年を迎えた雲仙・普賢岳(長崎県)の噴火災害で、土石流の土砂に埋まった11棟の家屋を保存している南島原市の「土石流被災家屋保存公園」で23日、県は経年劣化した家屋の解体を始めた。屋根が崩落し、柱もゆがんでいることから危険と判断した。
県などによると、公園は災害の教訓を後世に伝えるために整備され、99年4月に開園。被災遺構の先駆的な取り組みとして、東日本大震災後には東北地方の自治体担当者が視察に訪れたという。
近年は2棟で劣化が進み、県や南島原市、住民でつくる検討委員会は解体・撤去を決定。11棟のうち3棟は屋内で展示しており、保存していく予定だが、残る6棟は今後撤去する可能性がある。