「鳥越流スーパーポジティブな生き方」と題して講演する鳥越俊太郎さん=佐賀市文化会館

 佐賀新聞社のメンバーズクラブ「新しい扉 Begin(びぎん)」の本年度最終回となる3回目の講座が22日、佐賀市文化会館で開かれた。“ニュースの職人”として知られるジャーナリストの鳥越俊太郎さんが「鳥越流スーパーポジティブな生き方」と題して約1200人を前に講演し、「どこで骨をうずめてもいい」という気持ちでいることで、逆境を乗り越え、挑戦をいとわない姿勢を保つことができると伝えた。

 鳥越さんは65歳の時に大腸がんが見つかったが、「そんなにショックではなかった」と振り返った。理由として、「人間(じんかん)到る処青山(せいざん)あり」という言葉を常日頃から意識していたとし、「青山とはお墓のこと。いつどこで死ぬかもしれないし、くよくよせずにポジティブに自分の人生を精いっぱい楽しもうと思った」と物事への向き合い方が大事だとした。

 報道記者としての歩みも紹介した。週刊誌「サンデー毎日」の編集長時代に宇野宗佑首相(当時)の女性問題をスクープしたところ、当初国内の大手メディアは見向きもしなかったが、米紙「ワシントン・ポスト」が記事化したため、逆輸入的に国内の報道が加熱。わずか在任69日の退陣劇につながった。

 「ニュースの発信源であるサンデー毎日の名前は残っていないが、女性スキャンダルで総理大臣を棒に振ったという歴史は残った」としつつ、米国の価値観を追従しがちな国内メディアには苦言を呈した。(大橋諒)

 

 ■会員の継続申し込みは22日から受け付けを開始しており、新規申し込みは2月4日から受け付ける。2023年度は、雅楽師の東儀秀樹さん、女優の夏木マリさん、フリーアナウンサーの登坂淳一さんの3氏が講師を務める。

 

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