【歴史教室】
第1回 6月2日(土)
なまず え
「地震鯰絵と鹿島信仰」
鯰絵「生捕ました三度の大地震」
鯰絵「鯰を押える鹿島大明神」(2点ともに当館蔵)
※写真の無断転用を禁止します。
◇担当 当館史料学芸部長 大津 忠男
◇内容
地震国の日本は,これまでにも数多くの震災を経験してきました。今回の歴史教室では,江戸時代末期の安政江戸地震の際に発行された地震鯰絵に焦点をあて,江戸の庶民が震災とどう向き合ったかを考えます。
地震鯰絵とは,被災直後から江戸で売り出された多色刷りの版画です。地震を起こすと信じられていた鯰が描かれているものが多いことから,鯰絵とよばれています。無許可での発行のため,作者・発行日などの情報は刷り込まれていません。そのため二百種以上の図柄の発行順を確定することはできません。しかし,無許可ゆえに遠慮無く描かれた絵やことば書きからは,江戸庶民の震災時の心境が生き生きと伝わってきます。鯰絵を読み解き,心境の変化を推察することは,現代の我々にも有益なことだと思います。
具体的には,@鯰絵の発行順を推測するA鹿島信仰と鯰絵の関連を明らかにするBなぜ鯰なのか?などの疑問に答える,を目標に歴史教室を行います。
◎6月2日(土),76名の参加者の中,当歴史教室が行われました。多数の方にご参加いただき,ありがとうございました。
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