俳優の中村雅俊（68）が1日、都内で『45周年ベスト盤発売＆明治座公演制作発表記者会見』を開催し、人生初のフライングをすることを明かした。

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　中村は1974年7月1日に、自身が俳優として主演デビューしたドラマ『われら青春！』の挿入歌「ふれあい」で歌手デビュー。オリコン10週連続で1位に輝き、いきなりミリオンセラーとなって一躍スターダムにのし上がった。それから45年が経過した記念日にベスト盤『〜yes！on the way〜』を発売となった。

　会見を兼ねたトークイベントに登場した中村は、23歳でのデビューを振り返ると「ちょっと前までは普通の貧乏大学生。文学座で研究生をやらせてもらってデビュー。全てのできごとが夢のよう」としみじみ。デビューの新聞記事をとんかつ屋で見つけたそうで「『これ、俺だ！』ってなって、とんかつ屋のオヤジに『すみません！　この新聞ください』って言った。『何を言ってんだ』と言われてねぇ」と思い返していた。

　ここまで45年という月日を走り続けた。「飛び抜けて歌がうまいわけじゃない。車で例えるとメルセデスとかBMWとかじゃなくて1300ccぐらいの大衆車。それでも走ってこられたのは支えられたから。コンサートも、みなさんが来てくれたから成立するし、レコードも買ってくれるから売れる」とファンに感謝。そして「普通、男と女ではありえないでしょ。よく45年、続けるのは…。ホントにありがとうございます」と笑顔を見せていた。

　会見の途中からは舞台の脚本・演出を務める鴻上尚史氏、出演する寺脇康文らも参加。それぞれ、ものまねで中村とのエピソードを披露し、中村は「どうしてそうなっちゃう…。俺は、そんなしゃべり方はしてない…」と苦笑い。賀来千香子もつられて、ものまねしてしまい、中村は「全然、似てないです！　みなさん、似てると思います？」とツッコんでいた。また、文学座の後輩である田山涼成は中村への憧れを熱弁。ただ、フサフサな中村をチラリと見ると「腹が立つこともある。ハゲそびれ。早くハゲたら、どうだ！」と詰め寄り、爆笑させていた。

　これが初めての周年イベントだと明かした中村は「アニバーサリーは好きじゃなくて、10周年も20周年も30周年もやってこなかった。今回は45周年という中途半端な数字でやることになりました。でも、45周年のアニバーサリーの舞台をやること、こんなにステキなことを心の底から喜びを味わっています」と感慨深げだった。

　囲み取材では、中村が舞台でフライングをすることも明かされた。中村にとっては人生初の宙乗りとなる。鴻上氏は「どうしても飛びたいって言うから」とニヤリとすると中村は「ちょっと楽しそうだったので。この間、テストでやったんですけど、いいですねぇ」とにっこり。恐怖感もなく、明治座の3階まで飛んでいくそう。「下を見下ろすと高いんですけど、それ以上に飛んでる自分が楽しい。想像以上」とご満悦だった。

　一方で「見どころですかね。そう言いながらも、ただ浮いてるだけ」と本音もぶっちゃけ。鴻上氏から「そんな身も蓋もない…」とツッコまれると中村は「訂正です。20メートルぐらいの高さを飛ぶんですよ！」とスゴさをアピールし、笑わせた。

　会見には東啓介、愛加あゆ、山崎銀之丞も参加。舞台『勝小吉伝〜ああ わが人生 最良の日〜』は6日から31日まで上演される。