お正月の鏡餅はいつまで飾る?飾り方から鏡開きまでのコツを紹介

公開日:2020年12月23日

鏡餅を飾る理由とは

鏡餅 いつまで
正月を感じる鏡餅

本来お正月の行事というのは、年神様をお迎えしておもてなし、お見送りするためのもの。おせち料理は、「年神様へのおもてなしのごちそう」、お年玉は「年神様の御魂をわけ与える」という意味がある。

その年、神様が家庭にやってくる際に、年神様の依りつく場所として鏡餅を飾るのが慣わしだ。日本は、古来より鏡には魂が宿るものと信じられてきた。丸い餅を鏡にみたて、円満に年を重ねるという意味を込めて、大小2つの餅を重ねたといわれている。

餅の原料となるお米は日本人にとって特別なもの。毎年収穫されたお米をついて固めた餅は、日本人にとって生命力そのものだったのだ。
そのため、年神様を迎えるにあたって、鏡餅はなくてはならないものとして昔から親しまれてきたのである。

今回は、鏡餅はいつまで飾るのかといった疑問のほかに、 飾り方や鏡開きまでのコツなどを紹介。この機会に、日本の伝統である鏡餅について理解を深めてみてはいかがだろうか。

鏡餅はいつまで飾るもの?

鏡餅はいつからいつまで飾ればいいのかご存じだろうか。

本来、正月飾りは松の内といわれる12月13日から1月7日の間飾るのが良しとされてきた。12月13日というのは正月事始めといわれ、この日から物事を始めるのが良いとされていたからだ。現在は末広がりの八が縁起が良いとされ、12月28日までに飾るのが一般的になっているが、明確なルールはない。

そして、飾り終えたお餅を下げて、お雑煮やお汁粉などにして食べる行事を鏡開きという。鏡開きは家族の無病息災を願う行事だが、もともとはお正月を終えて区切りをつけ、仕事を始める日だった。

鏡開きの文化を定着させたのは、徳川三代将軍・徳川家光。その家光が亡くなったことが由来で、鏡開きを行う日程が関東と関西で異なるのである。鏡餅をいつまで飾るのかに関しては、関東と関西でそれぞれ異なるので、詳しく紹介していこう。

関東に住んでる場合

関東の鏡開きは1月11日に行う。しかし、もともとは「二十日正月」といって1月20日に行われていた。武家社会の風習から、刃柄(はつか)とゴロを合わせたという説もある。

1月11日に鏡開きを行うようになったのには理由がある。江戸時代の徳川三代将軍家光が慶安4年4月20日に亡くなったことから、月命日の20日を避け鏡開きが1月11日に行われることになったといわれている。それに伴い、松の内は1月7日までとお触れが出たため、1月15日から1月7日に変更したとのことだ。

関西に住んでる場合

関西の鏡開きは1月20日に行う。関西では、徳川三代目家光の命日には影響を受けず、旧暦の正月にあたる1月15日までが松の内のままとなったためだ。

また、京都の近郊では1月4日に鏡開きをする地域がある。お正月の三が日を終えたということで行われているが、明確な理由ははっきりしてはいない。

鏡餅の飾り方

鏡餅 いつまで2
意外と知らない飾り物の意味

鏡餅の飾り方は地方によって異なるが、基本的な飾り方は以下の通り。

三方(さんぽう)と呼ばれる折敷に台がついた器に、四方紅(四方が紅く彩られた和紙)を敷く。その上に紙垂、裏白、譲り葉を重ね、その上に鏡餅をのせ昆布や橙で飾るのが一般的だ。

家や地方によって、串柿や勝栗、五万米、黒豆やするめを飾るなど、それぞれに特徴がある。年神様が宿る場所として、縁起物や神聖な品々を添えていくのだ。

飾る場所は神棚や床の間が基本とされていたが、現在は家族が帰ってくる玄関や家族が集まるリビングなど、年神様にきて欲しい場所に飾るというのが良いとされている。

鏡餅に使われるそれぞれの飾り物の意味は、以下の通りだ。

名称意味
四方紅四方から災いを退ける意味
裏白夫婦仲むつまじく相性が良く、白髪になるまでの長寿祈願
譲り葉新しい葉が出てから古い葉が落ちるので家系が続くことの意味
1本の木に何代も実がなることから、代々家が続く意味
昆布養老昆布=喜ぶの意味
串柿柿は嘉来に通じる縁起物
御弊魔除け、繁栄の意味

鏡開きの注意点とコツ

飾りおわった鏡餅を下げて食べる行事のことを鏡開きという。昔の子どもたちは飾ってある鏡餅を毎日眺めながら、鏡開きを楽しみにお正月を過ごしていたことだろう。

大人であっても、美味しい餅を早く食べたいというのが心情だが、鏡開きを待たずに食べるのはご法度。年神様がお帰りになった後、つまり松の内が終わった後に、鏡開きをするのが重要だからだ。

鏡開きにはいくつかの注意点とコツがあるため、こちらも詳しく紹介していこう。

刃物を使うのを避ける

鏡開きはなぜ「開き」というのだろうか。大きな餅を食べるには、包丁などの刃物で切る必要があると考えるのが一般的だが、鏡開きの際は、刃物を使わずに木槌などで割る。

鏡開きは武家社会の習慣から広まったものであり、刃物で切るというのは切腹を意味するので、縁起が良くないと考えられていたからだ。さらに、鏡餅には年神様の魂がこもっているといわれており、その餅に刃物を向けるのはご法度なのだ。

現代でも鏡餅を分けるときは刃物を使わず、ヒビの部分から手で折るように分けたり、木槌で細かく砕いたりするのが正しい方法になる。餅が固くて割れない場合は、水に浸して数時間おいて柔らかくすると分けやすくなるだろう。

固くなった鏡餅を食べるには電子レンジが便利

餅を何日も飾っておくと固くなり食べにくくなってしまうため、電子レンジで加熱して柔らかくする方法もある。その際には、加熱しすぎるとベタベタになってしまうので注意が必要だ。

中身が切り餅になっている鏡餅を飾る

最近の鏡餅は、鏡餅の形をした入れ物の中に小分けにされた切り餅が入っているタイプのものがある。飾っておいても固くならないため、鏡開きの際は、割るというより分けて食べるという表現が正しいのかもしれない。

こうして、鏡開きは武家社会の習慣として伝えられてきたとともに、時代により進化しているともいえる。

鏡開きをしたら美味しく食べよう

鏡開きをしたら、美味しくいただきたいところ。鏡開きでは、お汁粉やお雑煮にして食べるが、地方によって食べ方や呼び名が違うようだ。

お汁粉やお雑煮のほかには、しょうゆと砂糖で味付けして海苔で巻いたり、細かく砕いて油で揚げてあられにしたり、ピザやもんじゃ焼きにしたりとアレンジもいろいろ。自分好みのレシピを調べて、美味しくいただきたいものだ。

まとめ

今回は、鏡餅を飾る意味や飾り方、鏡開きのコツを紹介してきた。お正月に何気なく食べていた鏡餅に、たくさんの意味があることに驚いた方も多いのではないだろうか。

鏡餅には飾り方や鏡開きの日程など、地方によって違いはある。それぞれの地域で行われてきた風習を守りつつ、鏡開きでの食べ方やアレンジなどを工夫して、その年一年の家族の健康や繁栄を願って美味しく食べよう。

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