中村雅俊「俺で良かったらの気持ちで」 オーケストラ公演に挑戦、4都市

2022年10月19日 15時44分
中村雅俊
中村雅俊

 

 

 青春スターとして人気を集め、数多くのヒット曲も放ってきた―。中村雅俊は「早い時期から、100%歌手、100%役者という意識でやってきました」と話す。11~12月に開く「シンフォニックライブ」にも、「挑戦です」と全力投球を宣言する。(共同通信 取材・文=瀬野木作、撮影=沢田勝)

 オーケストラアレンジされた自身の曲を、交響楽団の演奏で歌う公演は昨年に続き2度目。「シンフォニックの場合、テンポを取るための音がない。ドラムでリズムを感じられる普通のコンサートは、いかに楽して歌っていたかと思う」と、甘いマスクを引き締める。

 ストイックともいえる姿勢には昨年70歳を迎えてからの、心境の変化が影響しているという。

 「やることはやってきたなと感じ、これからどう生きようかと考えた時に、感謝という言葉が出てきた。『俺で良かったらやりますよ』という気持ちが芽生えました」

 報道番組「news every.」内の特集コーナーでナレーションの仕事を初めて引き受けたのも、そんな思いからだ。

中村雅俊
中村雅俊

 

 

 1973年、慶応大在学中に文学座付属演劇研究所に入所。翌年、ドラマ「われら青春!」の主役に抜てきされた。「夏木陽介さんから始まる学園もので俺は5代目。このシリーズは先生役が必ず歌も出す決まりだった。マネジャーすら俺の歌唱力を知らないまま、出したのが(挿入歌の)『ふれあい』でした」

 100万枚を超える大ヒットにレコード会社や文学座の関係者も驚く中、歌番組にジーパンにげた履きで出演し、これまた度肝を抜いた。「スタイリストもいませんでしたから」と懐かしむ。

 ドラマや映画で主役を張りながら、コンサートツアーも。「役者が歌うので多少の失敗は、とエクスキューズ(言い訳)していたが、お客さんからすれば、ちゃんとやれよとなりますよね」。実は学生時代からギターで曲作りにいそしむなど、歌心はあった。ピアノやサックスも練習し「自分なりに精いっぱいやってきました」と語る。

 今年11月からのステージでは「ふれあい」の他、小椋佳作詞作曲の「俺たちの旅」、桑田佳祐に書いてもらった「恋人も濡れる街角」など代表曲を新たに味付けし、円光寺雅彦の指揮で届ける。

 「この年になって表現の場や方法が無限大にあるのは良いことだと思う。前に押し進むエネルギーが絶対必要です」

 「ビルボードクラシックス中村雅俊シンフォニックライブ2022 ハーベスト」の公演日程は、11月10日愛知県芸術劇場大ホール、17日東京文化会館大ホール、26日兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール、12月13日福岡サンパレスホテル&ホール

 

「俺の歌が和食だとすると、フレンチやイタリアン風の味付けをするのがオーケストラアレンジ。料理に似ていると思いました」と中村雅俊
「俺の歌が和食だとすると、フレンチやイタリアン風の味付けをするのがオーケストラアレンジ。料理に似ていると思いました」と中村雅俊

 

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