佐賀県で開かれた集会で話す原口一博氏
佐賀県で開かれた集会で話す原口一博氏

 悪性リンパ腫と診断され、現在も闘病中であることを明かした立憲民主党の原口一博・衆院議員(63)。原口氏にとって、難病の公表は今回が2度目だった。最初に公にしたとき、当時、政敵だった安倍晋三元首相からメッセージが送られてきたという。

原口氏がツイッターに投稿したリハビリの様子はこちら

「抜けちゃったんだよね」

 3月初旬に会った原口氏は、そうつぶやきながら頭のウィッグを手でずらし、髪のない頭を見せた。

 聞くと、「悪性リンパ腫」の抗がん剤治療の影響で毛が抜けたのだという。

 とはいえ、声は元気そうで、議員会館にレクチャーにやってくる官僚を相手に、丁々発止の論戦を展開する姿も、今までと変わらなかった。

 原口氏に体調不良の気配が出ていたのは今年1月の中ごろだった。

「カキフライを食べた後、あたったかなという症状が出たんで、翌日に病院に行ったけど『問題はない』とのことだったんです」

 その後、沖縄に出張するなど、議員活動をする上での支障はなかった。

 しかし、1週間ほどすると病院から連絡があり、「すぐ来てほしい」と言われたという。

 再度、検査したところ、へんとうの左に悪性リンパ腫が見つかったという。

「昨年12月くらいから声が出にくい、のどが変だと感じてはいたが……」

 ただ、幸いにも早期発見だった。

「すぐに入院し、摘出手術をしました。血管が細いので、点滴用の管は胸から入れました。その後、悪性リンパ腫に対する代表的な治療法の『R-CHOP』という化学療法を始めました。抗がん剤を20日サイクルで投与していく治療です。投与したら日にちを開けて回復を待つ。それを何度も繰り返します」

 と原口氏。入院中、抗がん剤治療の影響で髪の毛が抜け始めた。衆院の解散がいつあってもおかしくないと感じていたことも重なり、不安な気持ちが大きくなった。

「髪がバサバサと抜け落ちていくのはつらかった。これ、どうなるんだろうと。このままで大丈夫だろうか、選挙も近い、政治の舞台に戻れるのか、といろいろ不安になりました。毎日、闘病日誌をつけて自分に向き合うことで、気を落ち着かせました。緩和ケアの方にも支えていただきました」

ツイッターに投稿したリハビリの様子=5月2日午後6時23分
ツイッターに投稿したリハビリの様子=5月2日午後6時23分
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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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