映画『大巨獣ガッパ』

2012年10月31日 | 映画の感想



監督: 野口晴康
川地民夫 黒崎浩(週間プレイメイト記者)
山本陽子 小柳糸子(カメラマン)
桂小かん 林三郎
小高雄二 殿岡大造(生物学者)
和田浩二 町田
町田政則 サキ(オベリスク島の少年)
雪丘恵介 船津(プレイメイト社社長)
弘村三郎 細田
押見史郎 大山
藤竜也 ジョージ井上

南洋のオベリスク島にやってきた探検隊は、その地でガッパという怪獣の子供を発見した。彼らは研究のため、子ガッパを日本に連れ帰る。そして子供を奪われた親ガッパたちが、子供のテレパシーをたどり日本に上陸してくる。防衛軍はただちにこれを迎撃するが、ガッパは熱線を吐いて街を壊滅状態に追い込んでいく……。
 怪獣ブームのさなかに日活が製作した怪獣映画。巨大怪獣の脅威と親子の情愛を中心に描き、恋愛ものの要素までも取り入れた意欲作で、その割によくまとまったストーリーは評価できる。また、熱海襲撃シーンなどの特撮の出来も良い。ガッパの名を連呼する主題歌が、子供向きで分かりやすく好印象。

★★☆☆☆
時たま、昔の特撮映画を見たくなる。子どもの頃、雑誌の写真記事や、お菓子のオマケシールなどで怪獣映画の一場面を見ることはあっても、映画館で観ていない作品ばかり。ビデオなどもない時代、たまたまテレビで放送されたときにタイミングよく観れることがあるかないか。そんなわけでゴジラやガメラはもちろん、ガッパとかギララとかにもいまだに興味があるんだよなあ。
で、今回ガッパを観てみたわけだけど、いや~驚いたのなんの。これって怪獣映画と日活アクション映画の融合みたいな路線だもん。さすがに乱闘シーンはなくて怪獣大暴れシーンなんだけど、ヒロインをめぐる三角関係なんかがあったりで。しかも、こんな気障なセリフを棒読み口調で言うなんて~と失笑してしまう、あの日活アクション演技なのだ。ちなみに探検隊の一員の無国籍なジョージなんて役で、若~い藤竜也が出演しててビックリ。
南洋のガッパの島に住んでいる現地人たちが、墨を塗った日本人役者なのは仕方ないけれど、彼らのダンスがまたなんともゴーゴーダンスっぽくて笑える。無国籍映画っぽさ満点なのだ。しかもどうやら大東亜戦争のときに日本兵が来ていた設定で現地人たちが日本語がしゃべれたりするし。日本人が帰ってきた!なんて歓迎ムードだけど、日本の探検隊が来て以来、火山は噴火して神像は壊れるしガッパは暴れるしで迷惑このうえない。
烏天狗のようガルーダ神のようなガッパのデザインは印象深いが、見方によっては羽根をむしりとられたニワトリにも似たり、で・・・。にしても、ガッパってのがまったく破壊を目的としておらず人間以上に家族愛が深いあたりが新鮮だ。こんなイイモンの怪獣はモスラくらいしか観たことがないなあ。熱海の宴会お座敷の天上から怪獣の足がバリバリバリッという場面が特に印象に残った。でっかい足ハリボテ作ったんだねぇ。
そしてきわめつけは主題歌。もう日活アクションまんまの曲調で、歌詞だけ怪獣もの。美樹克彦が絶唱する「ガッッパァァ~~アア、ガッッパァァ~~アア」の連呼に凍りつく。
いやあ、なかなかの珍品もんですよ、怪獣映画ブームに乗って日活が作った怪獣映画。


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