10日余りの西パプアの旅。まだ画像もリストも未整理の状態ですが、今回の旅で最大の目標だったこの鳥を紹介したいと思います。
まずは画像をご覧ください。
これがアカミノフウチョウWilson's bird-of-paradiseの雄です。
神様のいたずらで作られたとしか思えない、不思議すぎる形態のゴクラクチョウ、ニューギニアの西部にあるワイゲオ島とその隣のバタンタ島のみに分布しています。
ここがワイゲオ島。ワイゲオ島に行くには、ジャカルタやデンパサールから西パプアのソロンへ飛び、そこから船で2時間という道のりを経る必要があります。日本からは片道2日。
この鳥の存在を知ったのは、BBCの「楽園のアッテンボロー」を見てからでした。
あまりに不思議な鳥すぎて、現実感がないまま、20年近い歳月が流れました。
そして、とあることがきっかけで、この世界一不思議な鳥に会いに行くことに。
ゴクラクチョウの仲間の多くは、踊り場を持っています。
このアカミノフウチョウも、いくつかの踊り場を巡回しています。
そこに夜明け前からハイドを立てて待つのですが、初日は現れませんでした。
やや焦りを感じながら2日目の朝を迎えます。初日とは違う踊り場で待つことしばし。
ガイドが「Wilsonの声だ」と言いました。一同緊張が走ります。
やがて我々の前に姿を現したアカミノフウチョウ。
第1印象は、「やっぱり鳥じゃないなあ。」でした。
この青い頭は、地肌。そして、クルリとカールした羽根は尾羽。地球上での生物という制約を考慮した上で最大限考えられる形態。昔、この鳥を含むゴクラクチョウの仲間の標本がイギリスの貴族の手に届いた際に、これは作り物だ、との疑惑を投げかけられたのは有名な話ですが、この姿を見れば納得できるというものです。
ゴクラクチョウの仲間はカラスに近縁だと言われています。実際、声を聞いてみれば、確かにカラスっぽいなあと思うのですが、どのDNAのスイッチが入れば、こんな姿になってしまうことができるのでしょうか?
天敵がいないから、餌が豊富だから、雄は雌への求愛に専念することができるようになったのだ、というもっともらしい話を聞きますが、果たしてそれだけの理由で、ここまで不思議な形態の鳥が出来上がるのか、私には疑問に思えてなりません。
そんな私の疑問をよそに、当のアカミノフウチョウは踊り場を熱心に掃除していました。雌がやってくるのを待って何度も鳴いていたのですが、その日は踊り場に雌が現れることは残念ながらありませんでした。
時間にして30分弱ほどだったでしょうか、踊り場の周囲をうろついていた雄はやがて姿を消してしまいました。
帰国した今、遂にこの究極の鳥を見てしまったのだなあという達成感より、もっとこの鳥のことを知りたい、また会いに行きたいという思いの方が強くなっているというのが正直なところ。
いつの日にか、またこのアカミノフウチョウに会いに行くことをこの場で宣言します!
ナショナル ジオグラフィック 極楽鳥 魅惑の求愛ダンス [DVD]/ビデオメーカー
¥3,065
Amazon.co.jp
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これがアカミノフウチョウWilson's bird-of-paradiseの雄です。
神様のいたずらで作られたとしか思えない、不思議すぎる形態のゴクラクチョウ、ニューギニアの西部にあるワイゲオ島とその隣のバタンタ島のみに分布しています。
ここがワイゲオ島。ワイゲオ島に行くには、ジャカルタやデンパサールから西パプアのソロンへ飛び、そこから船で2時間という道のりを経る必要があります。日本からは片道2日。
この鳥の存在を知ったのは、BBCの「楽園のアッテンボロー」を見てからでした。
あまりに不思議な鳥すぎて、現実感がないまま、20年近い歳月が流れました。
そして、とあることがきっかけで、この世界一不思議な鳥に会いに行くことに。
ゴクラクチョウの仲間の多くは、踊り場を持っています。
このアカミノフウチョウも、いくつかの踊り場を巡回しています。
そこに夜明け前からハイドを立てて待つのですが、初日は現れませんでした。
やや焦りを感じながら2日目の朝を迎えます。初日とは違う踊り場で待つことしばし。
ガイドが「Wilsonの声だ」と言いました。一同緊張が走ります。
やがて我々の前に姿を現したアカミノフウチョウ。
第1印象は、「やっぱり鳥じゃないなあ。」でした。
この青い頭は、地肌。そして、クルリとカールした羽根は尾羽。地球上での生物という制約を考慮した上で最大限考えられる形態。昔、この鳥を含むゴクラクチョウの仲間の標本がイギリスの貴族の手に届いた際に、これは作り物だ、との疑惑を投げかけられたのは有名な話ですが、この姿を見れば納得できるというものです。
ゴクラクチョウの仲間はカラスに近縁だと言われています。実際、声を聞いてみれば、確かにカラスっぽいなあと思うのですが、どのDNAのスイッチが入れば、こんな姿になってしまうことができるのでしょうか?
天敵がいないから、餌が豊富だから、雄は雌への求愛に専念することができるようになったのだ、というもっともらしい話を聞きますが、果たしてそれだけの理由で、ここまで不思議な形態の鳥が出来上がるのか、私には疑問に思えてなりません。
そんな私の疑問をよそに、当のアカミノフウチョウは踊り場を熱心に掃除していました。雌がやってくるのを待って何度も鳴いていたのですが、その日は踊り場に雌が現れることは残念ながらありませんでした。
時間にして30分弱ほどだったでしょうか、踊り場の周囲をうろついていた雄はやがて姿を消してしまいました。
帰国した今、遂にこの究極の鳥を見てしまったのだなあという達成感より、もっとこの鳥のことを知りたい、また会いに行きたいという思いの方が強くなっているというのが正直なところ。
いつの日にか、またこのアカミノフウチョウに会いに行くことをこの場で宣言します!
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